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(上底+下底)× 高さ ÷ 2 = 済低
ハワイアンセンターからやってきた新人女子スタッフー から
『済所長は【猫と犬】どっちが好きですか?』 と訪ねられた。
結論を先に申し上げると猫は嫌いだ。
故に猫好きの女性との同居は不可能だ。
逆のぼるコト数年・・・
実家で母親が犬と猫を飼っていた。
MAX時には犬3匹と猫7匹が同居していたコトもある。
もはや人間の住む家ではない・・・
ある日、姉カオリから 『猫を動物病院に連れてってくんねろっか?』
という依頼を受けた。
実家と無縁な生活を送り、けっして親孝行者とは言えなかった済低は快諾した。
約束の日、実家を訪ねた。
人間は留守だったが犬1匹と猫5匹がいた。
『白くて顔半分だけが黒い・捕まえて連れてけ。よろしく』
と書いたメモと千円札が1枚。
そいつを捕らえて運ぶ用のカゴに添えて置いてあった。
てっきり、カゴに入れられた猫を病院に連れて行くだけの任務だと思っていたのだが
姉カオリはそんなに甘くはなかった。さすがは済低と同じ顔を持つ女。
しかも成功報酬は千円。
作戦開始。
エサでおびき寄せてみる・・・ 失敗。
猫じゃらしでおびき寄せてみる・・・ 失敗。
逆にシャ~~~ッッ!!!!っと威嚇されてしまった。
以上2点を試みた結果、猫は好物でも部外者には近づかないらしいコトが判明した。
こうなったら力づくで捕まえるしかない。
済vs猫 のゴングが鳴り響く。
逃げる猫、追いかける済。
カーテンの裏に逃げる猫、猫なで声でせまる済。
押入れに逃げる猫、猫舌な済。
2階に逃げる猫、猫背な済。
汗だくになりながら格闘すること2時間。
全ての扉を封鎖し、階段の踊り場に追い詰めた。
さあ・・・観念しろ・・・
両手を広げ捕まえようとしたその時だった。
覚悟を決めたヤツは まるでハリウッド映画で飛行機から海へ飛び降りるシュワちゃんのようにジャ~ンプ!!
にゃぁぁぁあああ~~~っっ!!!!
ヤツは一気に1階まで飛び降りた。
なめんなよ。と言わんばかりの跳躍力だった。
猫の本気ジャンプはスゲェ・・・
脳裏に敗北の2文字が浮かんだ。
途方に暮れていると、姉からメールがきた。
『下駄箱の上にマタタビあるから使いな。一発だ。』
なんですとーーーッッ!!
なぜそれを今更・・・
2時間も汗だくになったのに・・・
さっそく閉じ込めた階段の部屋にマタダビを持って近づいてみた。
男性に対して 『女性は好きですか? 』と質問するのと同様に
猫に対して 『マタタビ好きですか?』 と質問する事は愚問だった。
マタタビに気を取られているヤツの背後に忍び寄った。
仕留めたり~~~!!!
苦節2時間、ようやく捕まえた・・・
と思った次の瞬間、
ヤツはクルっと振り返りガブッッ!!
ギャァァァアアア~~~ッッ!!!!!!
手、噛みやがったッッ!!!!
一瞬ひるんだが左手でガッチリとヤツをホールドし、噛まれた右手でゲンコツを喰らわせた。
にゃん。
熱い戦いは終焉を迎えた。
観念したヤツをカゴに入れ病院に連れて行った。
治療内容を詳しくは知らないが、犬でいうところの狂犬病の予防接種らしい。
猫にもあるんだね。
お会計が880円だった。
姉が置いていった1000円で支払った。
済低の成功報酬は おつりの120円に減った。
だが文句は言わない。
これも親不幸をしてきた代償だと思うことにした。
お金で買えない価値もあるってか。フフフ・・・
3日後・・・
風邪をひいた訳でもないのに体調が悪くなった。
動悸が凄く、脂汗をかき、吐き気を伴いフラフラ感が収まらない。
病院で診察を受けた。
お医者さんに 『3日前に猫に噛まれました』 と告げた。
すぐに注射と点滴をされた。
ひとつ間違うと猫になってしまっていたらしい。
猫背・猫舌なのにこれ以上ネコ化するなんてまっぴらごめんだ。
無知は怖いね。学習したよ。
数年前のこの事件以来、猫はキライだ。
まだ右手には猫の歯型の傷も残っている。
だから 『猫と犬、どっちが好きですか?』 と聞かれたら迷わずに犬と答える。
むしろ近年では人間の犬化が進んでおり、月に1度は犬になっている方が大勢いらっしゃるらしい。
みんな満月の夜には気をつけろよ。